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防爆エリアで設備工事を行う際の注意点|工具・火気・施工管理のポイント
防爆エリアで設備工事を行う際は、防爆仕様の機器を選ぶだけでは十分ではありません。施工中に使用する工具や作業方法、電気配線、ガス濃度の確認まで含めて、点火源を持ち込まない計画が必要です。
特に注意したいのが、切断・研削・溶接などの火花を伴う作業と、非防爆の電動工具です。通常の工場で行っている作業でも、防爆エリアでは火災や爆発の原因になる可能性があります。
この記事では、防爆エリアで設備の据付・更新工事を行う際に押さえておきたいポイントを解説します。
防爆エリアとは
防爆エリアとは、可燃性ガスや引火性液体の蒸気、可燃性粉じんなどにより、爆発や火災が発生するおそれのある場所です。
可燃性物質が空気と混ざって爆発性雰囲気を形成し、電気火花や機械的な火花、高温部分などの点火源が加わることで、火災や爆発につながります。
日本では、労働安全衛生規則第280条から第282条などにより、爆発の危険がある場所では、対象となるガス・蒸気・粉じんや危険度に適合した防爆性能を持つ電気機械器具を使用することが求められています。
防爆機器を選定するだけでは不十分
防爆性能を持つ機器を設置しても、施工方法に不備があれば、本来の防爆性能を維持できません。
たとえば、防爆機器と配線を接続するケーブルグランド、防爆配管のシール処理、ねじのかみ合わせ、接地などが適切でなければ、設備全体として必要な防爆性能を確保できない可能性があります。
そのため、防爆工事では機器選定と施工を切り離さず、設計・資材調達・施工・検査まで一貫して管理することが重要です。
防爆エリアでの設備工事における注意点
危険場所区分と対象物質を事前に確認する
着工前には、工事場所の危険場所区分と、取り扱われているガス・蒸気・粉じんの種類を確認します。
同じ防爆エリアでも、爆発性雰囲気が発生する頻度や継続時間、対象物質の性質によって、必要な防爆性能や施工条件は異なります。
現地調査では、少なくとも以下の内容を確認します。
- 危険場所区分と工事範囲
- 対象となるガス・蒸気・粉じん
- 稼働中の設備や配管の状態
- 停電・停止できる範囲
- 換気設備とガス検知器の配置
- 施設側の作業許可制度と安全基準
設備を停止していても、配管やタンク内に危険物が残留している場合があります。「稼働していないから安全」と判断せず、残留物を含めて確認することが必要です。
使用する工具と工法を選定する
一般的な電動工具は、モーターやスイッチ部分で電気火花が発生したり、使用中に高温になったりする可能性があります。そのため、爆発性雰囲気が形成される可能性のある場所へ、環境に適合しない電動工具を安易に持ち込むことはできません。
まずは、部材を防爆エリア外で加工してから搬入する、手作業で組み立てられる構造にするなど、現場で火花を発生させない工法を検討します。
手工具についても、作業内容に応じて非発火性工具を選定します。ただし、非発火性工具を使えば、すべての点火リスクをなくせるわけではありません。静電気や高温部、工具以外の設備から発生する火花も含め、作業全体で点火源を管理する必要があります。
切断・研削・溶接などの火気作業を管理する
切断・研削・溶接は、火花や溶融金属、高温部分を発生させるため、防爆エリアでは特に慎重な管理が求められます。
やむを得ず火気作業を行う場合は、設備内の危険物を除去し、必要に応じて洗浄、換気、パージなどを実施します。そのうえでガス濃度を測定し、施設側の火気使用許可や作業手順に従って施工します。
また、測定は作業開始前だけでなく、作業中の環境変化も考慮して行うことが重要です。周辺設備の運転状況や風向きなどによって条件が変わった場合は、作業を一時中断して安全性を再確認します。
防爆性能を維持できる状態で施工する
防爆機器を取り付ける際は、メーカーの施工要領や防爆構造に応じた方法を守らなければなりません。
特に確認が必要なのは、次のような部分です。
- ケーブル引込部とケーブルグランド
- 防爆配管の接続部とシール処理
- ねじ込み部のかみ合わせ
- パッキンや接合面の損傷
- 接地・ボンディング
- 使用していない開口部の閉止
- 配線や部材の防爆仕様との適合
施工後には、外観確認だけでなく、締付状態、絶縁、接地など、工事内容に応じた検査を実施します。防爆機器を無断で加工・改造することも避けなければなりません。
安全確認に必要な時間を工程へ織り込む
防爆エリアでは、作業前の打ち合わせ、設備停止、危険物の除去、ガス濃度測定、作業許可、施工後の検査など、通常の設備工事より多くの工程が必要です。
これらを見込まずに一般環境と同じ工期を設定すると、現場に手順を省略する圧力がかかります。安全確認に必要な時間をあらかじめ工程へ組み込み、施設管理者と施工会社の役割を明確にしておくことが重要です。
>>爆発放散口とは|防爆対策における役割や設計・設置基準について
当社の施工事例|防爆照明のLED化
お客様の課題
工場内の高所に設置された防爆水銀灯について、防爆性能を維持しながらLED照明へ更新したいとのご相談をいただきました。
施工の流れ
現地で照明の設置状況や周囲環境、防爆工事の仕様、停電範囲などを確認しました。その後、既存設備に適合する防爆LED照明と、防爆配管工事に必要な部材を選定しました。
工事当日は高所作業車を使用し、感電や転落、工具・資材の落下に注意しながら照明を交換。必要な資格・特別教育を受けた作業者が施工を担当しました。
施工効果
400Wの水銀灯を43WのLED照明へ更新し、省エネ化を実現しました。また、消灯後の再点灯に時間がかからなくなり、現場の作業性向上にもつながりました。
防爆エリアの設備工事に関するよくある質問
防爆エリアでは通常の電動工具を使用できませんか?
危険場所区分や爆発性雰囲気の有無、工具の仕様などによって判断が異なります。環境に適合しない電動工具は安易に持ち込まず、施設側の作業許可制度と安全基準に従って判断する必要があります。
防爆機器へ交換するだけで防爆工事は完了しますか?
機器の交換だけでは不十分です。配線、ケーブル引込部、防爆配管、シール処理、接地なども含め、設備全体で防爆性能を維持できていることを確認する必要があります。
まとめ
防爆エリアの設備工事では、機器の防爆仕様だけでなく、施工中の工具、工法、火気作業、ガス濃度測定、配線方法まで含めた安全管理が必要です。
関東・東海 プラント工事.comを運営する望月工業所では、化学工場をはじめとする防爆施設での電気・計装・設備工事に対応しています。現地調査から機器・部材の選定、施工、検査まで一貫して対応可能です。
「既存設備を防爆仕様のまま更新したい」「防爆エリアで使用できる機器や施工方法が分からない」といったお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。
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