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スチームトラップ選定の基本と起きやすいトラブル
工場の蒸気配管において欠かせない部品がスチームトラップです。スチームトラップの選定を誤ると、蒸気漏れやウォーターハンマー、昇温不良などのトラブルにつながり、結果としてエネルギーコストや設備負担を増大させます。本記事では、スチームトラップ選定の基本をご説明いたします。
スチームトラップの役割とは

スチームトラップは、蒸気配管内に発生するドレンを自動的に排出しつつ、蒸気は逃がさない自動弁です。蒸気は熱源として利用されますが、ドレンが配管内に滞留すると熱交換効率が低下し、配管や機器の損傷を引き起こします。それを防ぐのがスチームトラップです。スチームトラップが正常に機能していれば、蒸気配管内は安定した状態に保たれ、安全性と効率性の両立が可能になります。
スチームトラップの主な種類と特徴
スチームトラップにはいくつかの種類があり、代表的なものにメカニカル式、サーモスタティック式、サーモダイナミック式があります。
メカニカル式トラップ
メカニカル式は、フロートなどの機械的な動きでドレンを排出する、ドレン量が多い設備や連続排出が必要な箇所に適したスチームトラップです。一方で構造が比較的複雑なため、汚れの影響を受けやすい点には注意が必要です。
サーモスタティック式トラップ
サーモスタティック式は、蒸気と復水の温度差を利用し、感温体の収縮力と膨張で弁を作動させるスチームトラップです。間欠運転の機器や立ち上がり時のエア抜きが重要な蒸気配管に適しています。
サーモダイナミック式トラップ
サーモダイナミック式は、構造がシンプルで耐久性が高く、設置スペースが限られる場所でも使いやすいスチームトラップです。蒸気と復水の流速の違いで生じる流体力学的特性や熱力学的特性を利用して弁を作動させます。小型で安価なため、スチームトラップの中で最も使用されています。
しかし作動音が大きく、雨風や気温に影響されやすいため、設置環境を考慮した選定が重要です。また閉弁間際に多少の蒸気ロスが伴う点にも注意が必要です。
またこれらの他にも、微小の蒸気を常に漏らすことで配管内部に流れを作り、復水の密度による衝撃力を利用して弁を開けるインパルス式があります。
スチームトラップ選定で重要なポイント
スチームトラップ選定では、使用圧力や温度条件を把握することが基本です。また、想定されるドレン量を見誤ると、排出能力不足や機能が過剰なことにより、動作が不安定になります。
加えて設置場所も重要です。蒸気主管、機器ドレン、還水管では求められる性能が異なるため、同じ蒸気トラップを使い回すことは不適切です。起動時には大量のドレンが発生し、定常運転時とは条件が大きく変わるため、運転状態の違いを考慮する必要があります。
選定ミスで起きやすいトラブル
選定ミスによる代表的なトラブルが蒸気漏れです。蒸気漏れは、内部部品の不適合や能力不足により発生し、大きなエネルギーロスにつながります。また、ドレンが滞留するとウォーターハンマーが発生し、配管やバルブに衝撃を与えます。さらに昇温不良によって生産効率の低下も引き起こします。
スチームトラップは消耗品であるため、定期的な点検や更新が必要です。また初期コストだけでスチームトラップを選定すると、結果的に蒸気漏れやトラブル対応で多くの費用が発生します。設計段階から蒸気配管の全体や、メンテナンス性、将来的な運用まで考慮して選定を行うことが、長期的な安定稼働につながります。
当社の蒸気配管施工事例
蒸気ドレン配管トラップ更新
ある飲料メーカー様より、蒸気ドレン配管の蒸気トラップが正常に作動せず、前後のバルブを固く閉じても蒸気漏れが発生している状態であるとご相談を頂きました。お客様ご自身での修理も検討されましたが、蒸気停止時間が1日と非常に限られていたため、確実かつ迅速な対応が可能な弊社にご依頼いただきました。
そこで当社は、ドレンによる腐食を考慮し、材質は高耐久なステンレス(SUS304)を選定しました。施工後は漏れも完全に止まり、トラップも正常に機能しています。材質変更により、配管全体の耐久性も向上しました。また限られた作業時間内で更新を完了いたしました。
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蒸気バルブ取付工事
ケミカルプラント工場様より、蒸気本管からのライン分岐工事をご依頼いただきました。しかし、蒸気を停止できるのは2日間であり、対象の配管は300Aと大口径で、従来のチーズで取り出すと本管を完全に切断する必要がありました。
そこで当社は、工期短縮を実現するため、本管を切断せずに分岐できる溶接サドルをご提案しました。分岐バルブや配管など、工場で製作できる部分はすべて事前に準備しました。
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スチームトラップの更新、蒸気配管の施工・保全は関東電気・計装工事.comにお任せください
今回は、スチームトラップの選定についてご説明いたしました。
スチームトラップの正しい選定は、安全性の確保だけでなく、省エネや設備寿命の延長にも直結します。蒸気配管の条件や運転状況を正しく把握し、用途に合ったスチームトラップを選ぶことが重要です。今一度、自社設備の蒸気トラップが適切に選定・管理されているかを見直してみてはいかがでしょうか。
関東電気・計装工事.comを運営する望月工業所は、蒸気配管の設計から施工まで一貫して対応しております。お客様の工場に関する調査分析から、最適な配管ルートの設計、適切な周辺設備の提案も合わせて行います。将来的な展開や、効率化・コスト削減を考慮し、プランニングからお任せいただけます。またスチームトラップについても、蒸気配管全体や施工後の運用までを考慮した選定を行います。さらに、施工後の蒸気漏れの修理や、バルブ交換など、アフターフォローについても当社で承ることが可能です。最適な設備の選定から施工まで対応いたしますので、蒸気配管の施工、メンテナンスについては、ぜひお気軽に望月工業所にご相談ください。
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