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クリーンルーム内で設備工事を行う際の注意点|発塵・異物・区画管理のポイント

施工内容技術コラム

クリーンルーム内で設備工事を行う際に重要なのは、工事中の発塵や異物混入を防ぎ、施工後に求められる清浄環境へ確実に戻すことです。

切断・研削・溶接などの作業は、粉じんや金属片を発生させます。また、作業者や工具、梱包材も汚染源になるため、通常の工場と同じ方法で工事を進めることはできません。

この記事では、クリーンルーム内で設備の据付・更新工事を行う際に押さえておきたいポイントを解説します。

クリーンルームとは

クリーンルームとは、空気中の微粒子や、製造工程に影響を与える汚染物質を管理するための空間です。

ISO 14644-1では、空気中に浮遊する粒子の濃度によって空気清浄度を分類しています。ただし、実際の管理項目は粒子だけではありません。医薬品、食品、電子部品など、製造する製品や工程によって、微生物、ケミカル成分、温度、湿度、室圧などの管理も必要になります。

クリーンルーム内の設備工事では、対象施設の清浄度や運用基準を理解したうえで、その環境を乱さない施工方法を計画することが重要です。

クリーンルーム工事が難しい理由

クリーンルーム工事の難しさは、工事そのものが汚染源になることです。

作業者の出入り、工具や部材の搬入、穴あけ、切断、配管接続などによって、塵埃や異物が発生します。また、仮設区画や排気装置の設置方法によっては、既存の気流や室圧のバランスを崩す可能性もあります。

そのため、単に設備を取り付けるだけでなく、搬入から施工後の清掃・確認までを一つの工程として管理する必要があります。

クリーンルーム内での設備工事における注意点

清浄度と施設独自の運用ルールを確認する

着工前には、対象となるクリーンルームの清浄度だけでなく、施設独自の入退室手順や持込基準を確認します。

主な確認項目は以下のとおりです。

  • 要求される清浄度
  • 稼働時・停止時の施工条件
  • 作業者の入退室手順
  • 作業着や保護具の指定
  • 工具・部材の清掃方法
  • 持ち込めない材料や梱包材
  • 工事後に必要な清掃・測定・検査
  • 生産再開の判定基準

同じ清浄度のクリーンルームでも、製造品目や工程によって許容される施工方法は異なります。施工会社だけで判断せず、施設管理者や製造部門、品質管理部門と事前に条件を共有することが必要です。

工具・部材を清浄化してから搬入する

工具や部材に付着した汚れは、クリーンルーム内へ塵埃や異物を持ち込む原因になります。

可能なものはクリーンルーム外で清掃し、施設側が指定する方法で養生・梱包して搬入します。段ボールや木材など、発塵しやすい材料の持ち込みが制限されている施設もあるため、事前確認が欠かせません。

作業者についても、指定された更衣、手洗い、エアシャワーなどの入室手順を守ります。資材と作業者の動線を分ける場合は、搬入順序まで含めた計画が必要です。

切断・研削・溶接による発塵を抑える

据付に伴う切断・研削・穴あけ・溶接は、粉じんや金属片、溶接ヒュームなどを発生させます。

発塵を抑えるには、クリーンルーム外で可能な限り加工・組立を済ませ、室内での加工作業を減らすことが基本です。室内で加工が必要な場合は、作業場所の養生、局所的な捕集、周辺設備の保護などを行います。

ただし、養生で囲うだけでは十分とは限りません。既存の気流や排気経路を確認し、発生した粉じんが稼働エリアへ流出しない方法を検討する必要があります。

配管内部への切粉や異物の残留を防ぐ

サニタリー配管や製造設備に接続する配管では、空気中の発塵だけでなく、配管内部に異物を残さないことが重要です。

施工時に発生した切粉、溶接スパッタ、研磨材などが配管内部に残ると、製品への異物混入や設備不良につながる可能性があります。

加工中は配管端部を適切に保護し、施工後には用途に応じて内部確認、フラッシング、洗浄などを実施します。施工が完了したことだけでなく、製造工程で使用できる状態まで仕上げることが必要です。

>>サニタリー配管とは?基礎知識から洗浄・メンテナンスまでご紹介

稼働エリアと工事エリアを区画する

工場を全面停止できない場合は、稼働エリアと工事エリアを区画し、粉じんや異物が製造工程へ流出しないようにします。

仮設パネルやシート、ブースなどで区画する場合は、次の点を検討します。

  • 工事区画からの粉じん流出防止
  • 作業者と資材の搬入動線
  • 既存の気流と室圧への影響
  • 避難経路の確保
  • 火災感知器やスプリンクラーへの影響
  • 工事中の監視方法

天井と壁で囲われたブースを設置すると、既存の火災感知器やスプリンクラーが有効に機能しなくなる場合があります。区画の構造によってはブース内への消防設備の追加が必要になるため、事前に施設管理者や所轄消防署へ確認することが重要です。

施工後の清掃と環境復旧まで計画する

クリーンルーム工事は、設備の据付が終わった時点では完了ではありません。

工事後には、養生の撤去、周辺清掃、工具・資材の搬出、異物の有無の確認を行います。必要に応じて、パーティクル測定、差圧確認、気流確認、配管洗浄、機器の動作確認、警報・インターロック試験なども実施します。

どの状態になれば生産を再開できるのかを着工前に決めておくことで、工事後の確認漏れや再稼働の遅れを防げます。

当社の施工事例|クリーンルーム内への酸素濃度計設置

クリーンルーム

お客様の課題

クリーンルームで使用する液体窒素が漏れた場合、従業員が酸素欠乏症になるリスクがあるため、警報装置を設置したいとのご相談をいただきました。

施工の流れ

クリーンルームの広さや機器配置、窒素配管のルート、避難経路、警報の見えやすさ・聞こえやすさなどを確認し、酸素濃度検知器と発報装置の配置・数量を決定しました。

その後、制御盤を設計・製作して施工。平日は設備がフル稼働している環境でしたが、施設側と工程を調整し、ご相談から約1か月で工事を完了しました。

施工効果

クリーンルーム内外と窒素配管ルートに、酸素濃度検知器と発報装置を設置しました。

酸素濃度19%で黄色ランプと避難を促す音声、18%で赤色ランプと緊急避難の音声を発する仕組みとしています。さらに、警備員室や施設管理事務所にも警報を設け、異常時の避難や救助、二次災害防止につながる環境を整えました。

>>クリーンルーム内酸素濃度計設置の詳細はこちら

クリーンルーム工事に関するよくある質問

稼働中のクリーンルームでも設備工事はできますか?

工事内容や施設条件によっては可能です。ただし、工事区画の設置、動線分離、発塵対策、気流・室圧への影響確認などが必要です。製造工程への影響を事前に評価したうえで、施工方法を決定します。

工事後にはどのような確認が必要ですか?

周辺清掃や異物確認に加え、設備に応じて配管内部の洗浄、パーティクル測定、差圧・気流確認、警報・インターロック試験などを行います。必要な確認項目は、施設の清浄度と製造工程によって異なります。

まとめ

クリーンルーム内の設備工事では、発塵や異物の発生を抑えるだけでなく、工具・部材の搬入、工事区画、作業動線、施工後の清掃・確認まで一貫した管理が必要です。

関東・東海 プラント工事.comを運営する望月工業所では、医薬品・製薬工場、食品工場など、厳密な清浄度や衛生管理が求められる現場での設備工事に対応しています。Class 1,000相当のクリーンルーム内工事にも対応可能です。

「稼働中のクリーンルームで設備を更新したい」「製造工程を汚染しない方法で配管・電気・計装工事を行いたい」といったお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。

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