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冷媒配管の更新における洗浄の必要性と再利用の注意点
空調機や冷凍機を更新する際、機器本体は新しく交換しても、既設の冷媒配管をそのまま再利用したいというケースがあります。既設配管を再利用できれば、配管の撤去・新設工事を抑えられ、工期短縮やコスト削減につながる場合があります。
一方で、冷媒配管の内部には、古い冷凍機油、異物、水分、スラッジなどが残っていることがあります。配管内部の状態を確認しないまま再利用すると、更新後の空調機・冷凍機で能力低下や運転不良、圧縮機故障などが発生する恐れがあります。
本記事では、冷媒配管洗浄が必要な理由や、既設配管を再利用する際の注意点について解説します。

目次
1.冷媒配管洗浄が必要な理由
2.既設冷媒配管を再利用するケース
3.洗浄せずに再利用するリスク
4.冷媒配管洗浄の主な流れ
5.既設配管を再利用できないケース
6.冷媒配管の洗浄・再利用は専門業者へ相談
冷媒配管洗浄が必要な理由
冷媒配管とは、空調機、冷凍機、チラー、冷蔵・冷凍設備などで、冷媒を循環させるための配管です。冷媒は室内機、室外機、圧縮機、熱交換器などの間を循環し、熱を運ぶ役割を担っています。
機器更新時に既設配管を再利用する場合、まず注意したいのが配管内部の残留物です。長年使用された配管には、既設機器で使用されていた冷凍機油や、金属粉、酸化物、スラッジなどが残っていることがあります。
特に、古い冷媒から新しい冷媒へ変更する場合は注意が必要です。冷媒の種類が変わると、使用される冷凍機油や機器仕様が異なる場合があります。古い油分や異物が新しい機器に流れ込むと、膨張弁やストレーナーの詰まり、圧縮機の故障につながることがあります。
また、配管内に水分が残っていると、冷媒や冷凍機油に悪影響を与え、内部腐食や運転不良の原因になる場合があります。低温部で水分が凍結すると、冷媒の流れを妨げる可能性もあります。そのため、既設配管を再利用する際は、洗浄、フラッシング、気密試験、真空引きなどを適切に行うことが重要です。
既設冷媒配管を再利用するケース

空調機や冷凍機の更新では、以下のような理由から既設配管の再利用を検討することがあります。
- 天井裏や壁内に配管が通っている
- 配管ルートの新設が難しい
- 工期を短縮したい
- 建築工事や内装復旧を減らしたい
- 更新費用を抑えたい
- 稼働中の工場・店舗・施設で大規模工事が難しい
特に工場、商業施設、オフィスビルでは、冷媒配管が天井裏、壁内、機械室、屋外ラックなどを通っていることが多く、すべてを新設すると工事範囲が大きくなる場合があります。
ただし、既設配管は必ず再利用できるわけではありません。配管径、配管長、肉厚、材質、劣化状況、冷媒の種類、過去の冷媒漏れや圧縮機故障の履歴、新設機器の施工条件などを確認したうえで判断する必要があります。
洗浄せずに再利用するリスク
既設冷媒配管を洗浄せずに再利用すると、さまざまなトラブルにつながる可能性があります。
まず、配管内に残った油分や異物によって冷媒の流れが悪くなると、冷暖房能力や冷却能力が低下することがあります。機器本体を新しくしても、配管側に問題があれば本来の性能を発揮できません。
また、異物や劣化油が圧縮機に流入すると、圧縮機の故障につながる恐れがあります。圧縮機は空調機・冷凍機の重要部品であり、故障すると修理費用が高額になりやすく、設備停止の原因にもなります。
さらに、スラッジや金属粉が膨張弁、ストレーナー、細い配管部に詰まると、冷媒流量が不安定になり、運転不良や異常停止につながる場合があります。
既設配管自体が劣化している場合は、洗浄だけでは対応できません。腐食、傷、曲がり、接続部の劣化、過去の漏れ履歴がある場合は、冷媒漏れのリスクが残ります。メーカーの施工条件を満たさないまま再利用すると、故障時に保証対象外となる可能性もあるため注意が必要です。
冷媒配管洗浄の主な流れ
冷媒配管洗浄の方法は、現場条件や機器仕様によって異なりますが、一般的には次のような流れで進めます。
まず、既設配管の状態を確認します。配管径、配管長、肉厚、接続部、劣化状況、過去の漏れ履歴、配管ルートなどを確認し、新設機器の仕様に適合するかを判断します。
次に、既設機器で使用していた冷媒と、新設機器で使用する冷媒を確認します。冷媒の種類が変わる場合は、冷凍機油や残留物の影響を慎重に確認する必要があります。
その後、既設機器内の冷媒や冷凍機油を適切に回収します。冷媒は大気放出せず、法令や作業基準に沿って破壊処理する必要があります。また破壊処理後、フロン回収行程管理表で適正な処理を証明します。
配管内部に油分や異物が残っている場合は、洗浄やフラッシングを行います。洗浄後は、気密試験で漏れの有無を確認し、真空引きによって配管内の空気や水分を除去します。最後に冷媒を充填し、試運転で圧力、温度、運転電流、冷暖房能力、異音、異常振動などを確認します。
既設配管を再利用できないケース
以下のような場合は、既設配管の再利用ではなく、新設や部分更新を検討する必要があります。
- 配管径や配管長が新設機器の基準に合わない
- 配管の肉厚や強度に不安がある
- 冷媒漏れや圧縮機故障の履歴がある
- 配管内部の汚れや水分が多い
- 腐食、傷、つぶれ、曲がりがある
- 分岐や接続部が複雑で確認できない
- 配管ルートが不明
- メーカーの施工条件や保証条件を満たさない
無理に既設配管を再利用すると、更新後のトラブルにつながる可能性があります。コストや工期だけで判断せず、機器の信頼性や長期的なメンテナンス性も含めて検討することが重要です。
冷媒配管の更新・洗浄・再利用はお任せください
既設冷媒配管の再利用は、工期短縮やコスト削減につながる一方で、配管内部の汚れ、残留油、水分、劣化状態を見落とすと、更新後の機器トラブルにつながる恐れがあります。
空調機・冷凍機を更新する際は、既設配管を再利用できるか、洗浄が必要か、部分更新すべきかを事前に確認することが大切です。
当社では、工場、店舗、オフィス、各種施設における空調機・冷凍機更新時の冷媒配管洗浄、既設配管調査、配管更新工事に対応しています。既設配管を再利用したい場合や、冷媒変更に伴う配管洗浄が必要な場合も、現地調査から施工計画まで対応可能です。
冷媒配管の洗浄・再利用でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
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