お役立ち情報
漏電調査について|生産停止リスクと危険性、初期調査や対策を解説
①漏電調査の重要性と基本知識
漏電とは

漏電とは、本来、電気が通るべき配線や電気機器の絶縁体を経由せず、電気が外に漏れる現象です。電気は本来、配線や機器内部を通るよう設計されていますが、損傷や水の侵入などによって外部に漏れることがあります。工場設備や高圧電力を使用する現場における漏電は、その電流量が大きいため非常に危険な状態です。
漏電の危険性
感電・火災:漏電を放置すると、人が触れた際の感電や、配線が過熱することによる火災のリスクがあります。火災や大規模な停電事故が発生すれば、周辺地域にも大きな影響を与えます。
生産ラインの停止:
漏電が発生すると、漏電ブレーカーが瞬時に作動し、回路が遮断されます。工場においては、生産ラインが突然停止し、製品の納期の遅延、生産設備へダメージを与える可能性があります。
電気代の高騰と修理:
漏電が起こると電力を無駄に消費し、電気代が上がります。また、漏電が長期化すると、使用中の機械や精密機器にダメージを与える可能性もあるため、修理費用や設備停止による損害が発生することもあります。
②漏電調査の方法と手順
電気漏電調査は専門資格が必要な作業ですが、異常を感じた際に現場で簡易チェックを行うことで、原因の早期発見につながることもあります。
現場ですぐにできる初期確認

分電盤のブレーカーを操作することで、漏電が発生している回路を特定できることがあります。(※感電の危険があるため、ご自身での操作に不安がある場合や修理は絶対に行わず、すぐに専門業者にご連絡ください。)
①全ての安全ブレーカーを切る:
分電盤内の右側に並んでいる、各回路(部屋や設備)ごとの小さな安全ブレーカー(配線用ブレーカー)をすべて「切」にします。
②漏電ブレーカーを入れる:
次に、中央にある漏電ブレーカーを「入」にします。
③1つずつ「入」にしていく:
安全ブレーカーを1つずつ順番に「入」にしていきます。
④漏電箇所を特定:
どれかの安全ブレーカーを「入」にした瞬間に、漏電ブレーカーが再び「切」に落ちたら、その安全ブレーカーの回路で漏電が発生している可能性が考えられます。
原因が特定できた回路の安全ブレーカーは「切」のままにしておけば、他の安全な回路では電気を使用し続けることができます。
専門業者による漏電調査
漏電の原因を正確に特定し、修理を行うためには、専門業者による調査が必要です
専門の電気工事士が現場に訪問し、分電盤をチェックします。分電盤を確認する際には、機器が多数ついていることもあるため、半分ずつ確認することで素早く原因を特定するなど専門的知識を用いて確認を行います。
分電盤の確認後は、以下の専門機器を用いて調査を行います。
絶縁抵抗計:

絶縁体が適切に機能しているかを調べる装置です。分電盤内でこの機器を使い、一つ一つの回路の絶縁抵抗値を確認します。
クランプメーター:

配線にクランプメーターを挟み、漏洩電流を計測する装置です。通常、回路の行きと帰りの電流値は同じになりますが、漏電している場合はこの数値に差が生じるため、漏電箇所が特定できます。屋外配線付近や分電盤での測定に用いられることもあります。
原因箇所を特定した後、その結果と必要な修理内容をご説明し、利用者の同意の上で修理作業を行います。
③漏電の原因とその対策
一般的な漏電の原因
設備の老朽化・絶縁体の劣化:
長期間使用している電気機器や分電盤は、内部の絶縁体が劣化し、漏電の原因になります。一般的に分電盤の寿命は10〜15年程度とされています。また、古い分電盤では、内部のネジの緩みや接続部の加熱・変色といった不具合が発生していることもあるため、長期間使用している機器や分電盤には注意が必要です。
水濡れ・結露・塩害:
工場内の水回り設備や屋外設備は特に注意が必要です。雨漏りや結露、外部に設置されたコンセントや配線の防水が不完全な場合、水を通じて漏電が発生します。海岸沿いの工場では、海水飛沫が付着する塩害もケーブルの損傷や漏電につながります。
害獣被害:
工場や倉庫の屋根裏などに侵入したネズミなどの小動物が、配線をかじることによって漏電が起きることも多くあります。場合によっては、分電盤内部に小動物が侵入して配線を損傷することもあります。
漏電を防ぐための対策
日常点検の徹底:
現場担当者による日常的な目視点検で、電気コードの破損、コンセントの緩み、水濡れの有無、過度なタコ足配線がないかを確認し、危険な状態は改善する必要があります。
アース線の正しい接続:水回りで使用する機器や精密機器には、アース線を正しく接続することが非常に重要です。アース線は、漏電した電気を安全に地面に逃がすことで、万が一漏電した場合に感電リスクを低減させます。
法定点検の実施:
電気設備全般の安全を確保するため、電気事業法に基づき定期的に行われる「電気安全調査」は非常に重要な役割を担っています。この調査で電気設備の不備の指摘や漏電などの不具合が発生していないかの調査が行われ、事故や火災を未然に防いでいます。
④漏電調査の依頼先
依頼先の選択
工場や事業所の場合、漏電の調査・修理は主に電気工事業者に直接依頼することをお勧めします。
電気工事業者:
電気工事業者に直接依頼することで、調査から原因特定、修理、安全確認までをワンストップで完結できます。漏電は緊急対応が必要なため、迅速な復旧が期待できる専門業者に依頼するのが最もスムーズです。
緊急性の高い工場や大型の施設においては、調査から修理までを一括で対応できる信頼性の高い専門業者に依頼することで復旧までの期間を最短で行うことができます。
漏電調査・修理は関東電気・計装工事.comにお任せください!
このように漏電の疑いがある場合、放置することは、火災や感電、生産ラインの停止など大きな被害を引き起こします。
当社は電気工事・計装工事・空調工事等の電気に関するプロフェッショナル集団として、お客様のニーズにお応えしてまいりました。事業規模の大小問わず、製造業の各種工場や医療施設などに対して、キュービクル新設工事や電源容量工事などの多岐にわたる電気工事に対応しております。漏電の疑いがある場合や、迅速な修理が必要な場合などはぜひ当社にお問い合わせください。
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